2022/7/19

運転免許の更新に行った。更新のタイミングとかよくわかんないけど、23のときに免許を取ってその後最初の更新をすっかり忘れて失効し、再交付の手続きをしたからたぶん今年が初回更新になっている。

講習の会場は初回更新というのもあって周りは見た感じ若い人だけで、大学の新校舎みたいなキレイな建物だったのも相まって、大学の授業を思い出した。29歳。なんだかもうこうやって若い人達と一緒に、自分も若い1人として、集団で授業を受けたりすることもこれが最後かもしれないとふと思い、なんだかちょっとエモくなってしまった。決して歳を取るのが嫌なわけではないし、大学生に戻りたくはない。ノスタルジックな気持ちに浸ることもめったになくなった。けどなんかあの感じを思い出した以上、なんかそう思っちゃったんだよなぁ。

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免許といえば本試験の日はよく覚えていて、23のときだった。俺はすでに1回落ちていて、期限が迫っているのもあり、今回こそはと思い再度受けに行った1月末。

試験の受付に並んでいると、前の男の子が受付の高圧的な警官に「君今日で試験受けられる最終日じゃん!!今まで何してたの!?」と怒られている。男の子は「色々忙しくて」と開き直ったようだけど小声で言っていた。なんか見てはいけないものを見てしまったような気がした。

試験会場に入ると、俺の3席先にその男の子が座っている。そのとき彼が読んでいたのは”絶対合格!普通免許一問一答”という参考書。いやいや、あまりにもその通りすぎる。他人事だけど落ちた先を想像するとゾッとするので頼むから頑張ってほしい。男の子はどこか不貞腐れたような表情だった。

まぁ自動車免許の試験は別に超簡単ではない。やんなきゃ普通に無理。色んなおっさんにあんなの余裕だよ俺なんて余裕で一発だっただとか偉そうに言われて育ってきたけど、うるさい。そんなことで謎マウント取ってるつもりのおっさんにはなりたくない。そんなことを思いながら解いた。

試験が終わり、教官が「これから合格者の番号を表示します。」と言い、番号が表示された。自分の番号があった。ホッとした。と、同時に思い浮かんだのはあの男の子のことだった。

(どうなった…!!どうなった…!!!!!)

再び、教官の「番号がなかった人は立ち上がって退出してください。」の合図………………………..…

 

 

 

 

 

 

 

その男の子はスッと立ち上がり、部屋を出ていった。